放生会おはじきに関するお知らせ
筥崎宮放生会は、春のどんたく・夏の祇園山笠と並び、秋を彩る博多の三大祭として古くから皆様に親しまれております。昭和五十五年より発売を開始した「放生会おはじき」は、三十年以上の永きに亘り放生会詣りの縁起物として大変人気を集めて参りました。
このおはじきは、博多人形師の研究団体である白彫会の会員がひとつひとつ手作りして箱詰めされる為に製作する数量が限られており、毎年その販売には大変多くの方が列をなして求められております。しかし数量限定であるが故に並んでも入手出来ない、様々な事情により並んで購入する事が出来ない方々も多く、近年は縁起物であるおはじきが販売直後にネットオークション等に高値で取引されるという神社として大変残念な事態も生じておりました。
一方で製作を担う白彫会は、他の作品製作を行う傍ら限られた製作期間に多くのおはじきを作る点、また白彫会会員の高齢化に伴う製作数量の問題等、今後のおはじき製作を考えていく上で幾つかの懸念が心配されておりました。
重ねて、筥崎宮の年間祭事の中で最も重儀である放生会大祭の祭典を遂行する上でも問題や対応に様々な面で苦慮しており、おはじきが多くの方に喜んで頂ける筥崎宮詣りの縁起物であるために、筥崎宮と白彫会では多方面からの意見も踏まえ幾度となく話し合いを行い、今般次のような結論に至りました。
永年放生会にて授与して参りましたおはじきの販売を平成二十九年より見送らせて頂き、全く新しい形でおはじきを製作する事といたしました。この新しいおはじきは、「筥崎宮おはじき」という名称で年毎に内容を変えず同じテーマで製作し、放生会の限定販売ではなく一年中筥崎宮の社頭にて購入出来るようにご準備いたします。一人でも多くの方におはじきを手にとって頂きたい、並ばずともいつでも購入できるという博多の縁起物をご準備いたします。発売開始時期は現在未定となっておりますが、出来るだけ早い時期にお知らせ出来ますように努めて参ります。これに伴い、現在社頭にて授与しております縁起おはじきも順次在庫が無くなり次第販売を終了いたします。
筥崎宮・白彫会として今回の決定に至るまで十分に検討を重ねて参りましたが、この新しいおはじきがこれまで同様に皆様のご期待に応えられる博多の縁起物であるように心を込めて準備して参ります。
どうぞ皆様のご理解を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。
平成二十九年六月吉日
筥崎宮 宮司 田村 靖邦
白彫会 会長 小副川 祐二